風景

          山村 暮鳥
     いちめんのなのはな
     いちめんのなのはな
     いちめんのなのはな
     いちめんのなのはな
     いちめんのなのはな
     いちめんのなのはな
     いちめんのなのはな
     かすかなるむぎぶえ
     いちめんのなのはな


     いちめんのなのはな
     いちめんのなのはな
     いちめんのなのはな
     いちめんのなのはな
     いちめんのなのはな
     いちめんのなのはな
     いちめんのなのはな
     ひばりのおしゃべり
     いちめんのなのはな


     いちめんのなのはな
     いちめんのなのはな
     いちめんのなのはな
     いちめんのなのはな
     いちめんのなのはな
     いちめんのなのはな
     いちめんのなのはな
     やめるはひるのつき
     いちめんのなのはな
          (詩集『聖三稜玻璃』から)

言葉によって喚起されるイメージは映像によるものより大きい。余分なものが映し出されない分、ストレートに意識が対象に向かい、インパクトが強くなるのであろう。
詩人は言葉を操る魔術師。一掴みの言葉で、現実の世界ではなかなかお目にかかれない風景を眼前に映し出してくれる。作者は技巧を凝らすことなく平易な言葉で春の風景を描いた。菜の花畑を目にするたびこの詩を思い浮かべる。またこの詩を読むと鮮やかな黄色の花々がそよ風に揺れているのどかな風景を想い起こす。
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我が家の畑では9月半ば過ぎ野沢菜の種をまく。本来は8月に播き11月末に成長した菜を収穫し漬け込む。これが信州名物の野沢菜漬なのだが、僕はこの漬物が嫌いなので、まだ育ってない葉をおひたしにして食べる。取り残した菜は当然冬枯れる。そして春再び芽を出し花をつける。この花がまるでアブラナとそっくりなのだ。「いつの間に菜の花の種をまいたの?」と妻に聞いてあきれられた。野沢菜の花だったのだ。妻に教えられあわてて百科事典をひもとくと、野沢菜はアブラナ科とあった。今更ながら納得。この季節にもせっせと収穫して食卓をにぎわしてくれている。
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by azuminoyh | 2009-04-22 23:24 | 季節の詩
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