ヴェネツィア大晦日コンサート

この冬に夫と出かけた(途中娘もローマから加わった)一ヶ月あまりのヨーロッパ旅行。帰国して二ヶ月になるのに様々なシーンが甦って胸を熱くする。
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最近居間に指揮者プレートルの写真を飾った。今の私の最高の憧れの人だ。
83歳、白髪の老人。大晦日に開かれたコンサートで彼の指揮を見た。左真横上から見下ろすことができるボックス席だった。タンホイザー序曲、カルメン前奏曲、ホフマンの舟歌と続くうち、観客も演奏者も彼の世界に引き込まれていった。楽員は今この時プレートルの指揮で音楽を奏でる幸せを全身で表し、ソプラノ歌手はプレートルの手によって高音を紡ぎだす。プレートルは流れる音楽から活力を得て音楽に身を任せ両手を胸に合わせうっとりとした表情も見せる。
一曲終わるごとに彼は満面の笑みを浮かべ観客に深々とお辞儀する。その笑顔につられ、楽員も笑顔で立ち上がり、観客は惜しみない拍手を送る。
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こんな幸せに満ち溢れたコンサートは初めてだった。娘も感極まった様子で「あの指揮者もしかして明日死ぬという人なんじゃないの」などとと言う。
本当に今日、今宵限りの命を燃やし尽くすと言いたいほどの素晴らしい指揮であり演奏だった。
夫が「彼は若い頃はそれほど評価されてはいなかったが、年を経るうちにすばらしい指揮者になったようだ。」と言う。
一年の締めくくりにこのような幸せな演奏を聴くことができたことに感謝し、プレートル様の写真に見入るこのごろの私である。 
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 (房江)
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by azuminoyh | 2009-03-08 22:54 | 旅行記
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